畔室長裏日誌

某写真系アトリエギャラリーを主宰しているsaorinです。乳がんを宣告されたのをきっかけに、個人的な日記が書きたくなって立ち上げました。主に乳がんの闘病日記と毎日のごはん簿をUPしていましたが、治療が落ち着いた今は登山・キャンプ・旅など趣味についても書いています。

zine「ROAD TRIP Breeze is nice」/北海道車中泊の旅日記、公開

こんばんは。
いつのまにやら、年の瀬が迫ってきましたね。
ホトリは年内のワークショップ・イベントを全て終了しておりますが、わたくしは1月13日からの旅展「ペシの恋人展」の準備真っ最中です。

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北海道の旅をまとめたzine「ROAD TRIP Breeze is nice」が完成しました!
A5サイズ、全85pの大作です!

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前半は写真ページ、

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後半はボリュームたっぷりの旅のジャーナルページとなっています。

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「ペシの恋人展」で、限定部数販売予定です。価格は1冊税込1,500円。
何冊作れるかわかりませんが、年明けにがんばります(笑)

そして、今回は初の試みで、ジャーナル部分を先にこのブログで公開することにしました!
14日間をマイカーでめぐった旅の記録です。長いです(笑)
年末年始でヒマだなーと思った時に、のぞいてみてくださいね。
そしてぜひ、展示にも遊びに来てください!

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ROAD TRIP  Breeze is nice. 北海道車中泊の旅2017 もくじ

 

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北海道車中泊の旅日記・04 利尻で、ペシの歓迎を受ける

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04 利尻で、ペシの歓迎を受ける
8/23(水)~24(木)利尻島礼文島

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利尻島に到着!! いや、いい天気である。
着いたのがちょうど昼時だったので、フェリーターミナルの目の前にある「さとう食堂」で昼ごはんにした。
最初はりきって利尻・礼文で有名なウニ丼を食べようかと思っていたが、ここはウニが大事な観光資源とあってお値段5000円。高い。
さすがに昼ごはんに5,000円は奮発しすぎだ。
ウニは利尻・礼文で食べるより、稚内で食べる方がお値段的にお得という話になり、ウニ丼はお預けとなった。
というわけで結局頼んだのはまたラーメン。私はせっかくなのでちょっとだけ贅沢なラーメンをいただいた。
ほかの二人は利尻らしく昆布ラーメンを食べていた。

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ラーメンを食べ終わるともう14時近かったので、さてどうするかという話になる。
というのも3人とも、利尻島に何があるのかほとんどチェックしていなかった。
私が調べていたのは利尻島最大の目的、利尻山くらいだった。
あとは何があるんだ、利尻島・・・・
と思いつつふと窓の外を見ると、なんだかかわいらしい丘みたいなのが港の近くに見える。あれは何だ!と、行ってみることにした。
利尻島のフェリーターミナルでもらったパンフレットを見たら、名前は「ペシ岬」というらしい。なんとかわいい名前!
高さ100m足らずくらいだが、見晴らしがよくてとてもよい場所だった。

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3人ともこのペシ岬を大いに気に入り、山に登っている人たちはペシが見えたら騒ぎ、チャリに乗っている人は橋からペシが見えたら写真を撮り、最終日の朝にはラストペシ、と称してみんなで登ったのであった。
ペシ、かわいい。。。(ちなみに利尻山のポジションはイケメン。)

ペシ岬を堪能した後は、まだチェックインまで時間があったので車でぐるっと利尻島を回って観光することにした。
国立公園の「オタトマリ沼」は、最初そんなに歩くつもりはなかったのに、歩き始めたら意外に長くてしかももう後戻りできなくなった。
一周した後、ソフトクリームをみんなで食べた。
利尻昆布やがごめ納豆など、最初のお土産もここで調達した。
もう少し青空で利尻山の雲がなかったら、沼に利尻山が映っているシーンが見られたらしい。
沼を堪能した後は、アザラシがいるという「仙法志御崎公園(せんぽうしみさきこうえん)」へ。

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私は礼文島の時のように、遠浅に自然のアザラシがいるのを想像していたんだけど、ここでは天然の岩のいけすのようなところでアザラシが飼われていた。
私たちが近づくとすすーっと寄ってきてかわいかったけど、餌をくれないとわかるとさーっと泳いでいってしまった。奈良の鹿のようでわかりやすい。

IMG_1467礼文島をドライブしていたら発見した、遠浅でくつろぐ自然のアザラシたち

大体ぐるっと島をまわったら、頃合いの時間になってきたので今回3泊するゲストハウス「利尻ぐりーんひる」へ向かった。
予約時は大部屋の料金だったが、チェックインしてみたらたまたまその女性限定の部屋が3人部屋で、3人グループだった我々は予期せず普通の個室となった。快適である。
3泊は結構長いのでラッキーだった。

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寝床は壁で仕切られていたので、適当に決める。

セイコーマートで食料を調達してきて、ダイニングでみんなで食事した。
この宿は家庭科室のような大きなキッチンがあって、電子レンジはもちろん、ガスコンロやお皿なども自由に使っていいので、簡単な料理ができてよかった。
私はこの日は、翌日の利尻山登山に備えてがっつりお好み焼き♪と思いきや、実は中身が全部キャベツのお好み焼きだったため、超ヘルシーな夕食となった・・・
明日大丈夫だろうか。
天気予報がとても微妙だが、とりあえず登山に向けて準備し、就寝。
早朝起きたときの天気で決めよう、という話になった。
昼間は晴れていたのに、もうこの時には雲が出ていて星は見えなかった。

翌朝24日。朝の3時半に起きた時点での天気予報で決めよう、と話していたが、3時半に起きたら窓の外を見なくてもわかるくらいの豪快な土砂降りだった。
その後30分くらい寝ながら待っていたけど、雨はやむ気配なし!
さすがにこの土砂降りの中登るのはきついわ、というわけで「今日は中止!!皆の衆、寝るぞー!」という掛け声のあと、みんななんだかんだで8時まで爆睡。
8時に起きてもまだ雨が降っていたので、登山前に食べる予定だったそれぞれの朝食を、宿でコーヒーと一緒に取ることにした。 コーヒーで一息つきながら、「さて、この日どうするか・・・。」
利尻島は島の1周50kmくらいの小さな島なので、大体のところは昨日車でまわってしまっている。
そんな中、「やっぱり礼文に行ってみようか?」というユリコさんの鶴の一声で急きょ礼文島に行くことに決定した。
礼文島行きのフェリーは昼発の便しかなく、さらに今日中に利尻に帰ってくるには17時の便に乗らなければいけない。
実質、礼文島で活動できるのは2時間程度。
となると車を借りるのももったいないし、チャリで回るには時間が足りない、というわけで港から比較的近い桃岩展望台のトレッキングコースを短時間で楽しむことにする。

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礼文島に到着したのは遅めの昼。
礼文島で去年食べた「炉ばたちどり」のちゃんちゃん焼きが忘れられなくて、お店にいそいそ行ったらなんと入口の引き戸に「臨時休業」の文字が・・・・
ガーン・・・・・・・(札が下がっているのが見えて思わず駆け寄ってしまった) しょうがないからラーメンでも食べるかと、近くの食堂「さざなみ」に入ったのもつかの間、出てきたおじちゃんから「ラーメンの麺がない」と言われる始末。
二度めのガーン。
私はちゃんちゃん焼きに後ろ髪ひかれていたので、ほっけ焼き定食を注文した。
ほっけ丸ごとボリューム満点でおいしかった!(が、これが後々ちょっとした尾を引くことに)

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トレッキングはと言えば、天気も回復してきて、目標通り桃岩展望台にもたどり着いて(時間がなかったので、難しそうだったら途中で引き返す予定だった)よかった。 何より、私は去年この同じ道を前後左右霧でほとんど見えない中歩いていたので、正直同じ道を歩いているとは思えなかった。
急いで港に戻り、お土産でちゃんちゃん焼きセットを売店で買い込んで利尻へ帰る。約40分で隣の島へ着く。フェリー代金も800円くらいで、これは少し長距離のバスみたいな感覚だ。
利尻に着いてから宿に戻り、またセイコーマート(略してセコマもしくはセイコマ)で晩ごはん用の食料を調達した。
私は礼文での昼ごはん、ほっけ焼き定食がかなり胃にもたれていたので、みんなでゆでたトウモロコシとか枝豆とか、そんなもんだけを食べていた。
まだ翌日の天気予報は微妙だったけど、今朝よりはマシかもしれない、ということで明日は利尻山に登れるラストチャンス!と決意し、就寝。

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北海道車中泊の旅日記・02 絶景、また絶景

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02 絶景、また絶景
8/21(月)美瑛

この日も朝から快晴だった。
仕事から解放されたというすがすがしい気持ちを胸に、ビジネスホテルについていた朝ごはんをいただく。ホテルは安さ重視だったので食事は全然期待してなかったが、好きな納豆がついていてうれしかった。
そして朝食後、すぐに行動を開始した。

この日の夜に泊まる予定の宿は、旭川から少し下に戻る美瑛にあるため、観光はその周辺となる。
旭川から美瑛を目指しつつ、最初の目的地は行ってみたかった幌加内町の白銀の丘だ。ちょっと距離的に無駄な往復になるけれども、そばの白い花が一面に咲くところで、ぜひ行ってみたかった場所の一つだった。
この日はいい天気すぎて、とてもすばらしい景色だった。菜の花やひまわり、コスモスなど、カラフルで華やかな花畑は見たことがあるが、つつましやかな白い花畑は初めてで、しかもあまり人に知られていないのか、観光客らしき人はほとんどいなかった。

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そばの花というのもを初めて見たが、この可憐な花が咲いた後に実がなって、それをすりつぶすか何かするとそば粉ができて、私たちが食べるそばになるのかと思うととても不思議だった。

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次に向かったのは美瑛の有名な青い池だ。
私は母親が北海道の釧路出身のため、北海道自体は昔から何度も来たことがあるのだが、ここは割と最近有名になった観光地のため行ったことがなく、初であった。
ワークショップに参加してくれた人から「すごい人ですよ」と聞いていて覚悟したものの、何とか駐車場には入れたし、思ったほどの混雑ではなくて写真もバシバシ撮れた。
もっと小さくてしょぼい池を想像していたけれど、思ったよりも大きい、そしてやはり美しい。日によって池の色が刻々と変わるらしいが、特に晴れた青空の日が、水のブルーが際立っていいらしい。
ちなみに池の近くを流れる川の水も青かった。なぜ青いのか理由を調べてみたところ、 白金温泉街にある「白ひげの滝」などから、アルミニウムを含んだ水が流れ出ており、この滝が美瑛川の水と混ざると目に見えないコロイド状という粒子が生成され、それが太陽の光をまんべんなく散乱させているとのこと。
これをもう一度そらで説明しろと言われてもおそらく無理そうである。
ちなみに、この青い池に行く途中にある道の駅みたいなところで、お昼に美瑛カレーをいただいた。
自撮りする人々で大混雑の青い池を後にし、この日もう1か所行きたかった十勝岳の望岳台へ。
たまたまだが、その日調べてみたら青い池のすぐ近くでラッキーだった。

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ここは車で標高1000mの登山口まで行けるところで、車から降りたらいきなりすごい絶景が広がっていた!
普通、登山口はたいてい森の入り口で、樹林帯に覆われていることが多いが、この大雪山系十勝岳はいきなり高い樹が生えない標高の森林限界から始まるルートである。
目の前には噴煙が立ち上る十勝岳十勝岳は活火山である)のほかにもぐるっと山々がそびえたっていて圧巻の眺めだった。さすが北海道、スケールが違う。
この日はすごく天気がよかったので、登りたい気持ちをぐっと抑えた。
登山者の恰好をしている人たちも多く、ちょうど時間的に下山してきた人たちもちらほらいた。来年行くときは絶対登りたい。
十勝岳のビジターセンターも最近できたばかりの建物らしくて、とても新しくてきれいだった。変な話、山行の時はここで車中泊して朝イチで登り始めるのもよいかなと思った。

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ビジターセンターでは美瑛フロートをいただく。
正直、普段甘い物にはあまり興味がないのでフロートを注文することはほぼ皆無なのだが、ちょうどのどが渇いていて、でもソフトクリームも食べたくて・・・というときにちょうどいい、ソーダフロート。

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さて名残惜しいが、そろそろチェックインの時間が近づいてきたのでこの日予約してある美瑛の宿、給食室へ向かった。
ここは以前給食を作っていた経歴のおばちゃん(と自分で名乗るので、私たちも自然とおばちゃんと呼んでいた)がやっている宿で、美瑛の有名なスポットからほど近く、誰かの家に泊まりに来たみたいな気楽さがよかった。
朝・夕どちらもごはんがついており、どちらもかなりのボリュームでごちそうだった。
夕食の前に、おばちゃんが温泉の割引券あるから入ってきなーと渡されてよくよく見たら、さっき通ってきた白金温泉エリア(白ひげの滝とか青い池のあたり)で、元来た道を戻る形になったが、温泉はとても気持ちよかった!(※注:この後、旅では6~7回温泉に入ることになる。北海道はあちらこちらに温泉があって大体入浴料が500~600円くらいなので、温泉に入ってから車中泊、という黄金の行動パターンができる)

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お風呂でさっぱりした後、また30分かけておばちゃんの給食室へ戻ってみると、チェックイン時には全然いなかった車がもう2台も停めてあった。
1日4組しか取らないらしく、あとは女性1人が来るということだったが、うちの車をどこに停めるかおばちゃんに指示されている間に、その女性が車で到着。
車を見ると、以前うちが乗っていた愛車と同じ、軽のミラジーノだった。
夕食時に、その人も関東の人で、東北の青森まで運転して青森から函館を経由し、美瑛に到着したという話を聞いて仰天した。
軽自動車での高速運転は全然パワーが出ないので、長距離の移動はかなりきつい。以前ミラに乗っていた時は全くやろうとも思わなかった。
根性に自信がある人はぜひやってみてほしい。

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夕食後、眼鏡を装着し、パーカを着込み、チューハイを1缶持って宿の前の道路に寝転んで星を眺めた。
丘と一緒に撮ったら美瑛らしいかな?と思ったが、おばちゃんの言う通り丘のバックには旭川からのかなりの光害があって微妙だった。かなり遠く離れているのに、都市ってすごい。
美瑛では防雪林と一緒にいい感じの天の川が撮れて大満足。流れ星もたくさん眺められた。
その後雲が出てきてしまって、結局朝日も見れずじまいだったので(考えてみれば、今回の旅では日の出には恵まれなかった、しかも翌朝は土砂降り!)夕食後早々に星を見られてラッキーだった。
そのうち、23~25の3泊で取っている利尻の山の天気予報があやしくて、ヤマキさんと稚内で合流予定のユリコさんがメッセンジャーでやり取りするも、私は疲れて横で爆睡していた。

 

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北海道車中泊の旅日記・エピローグ 自由なスタイルの旅に、夢中になる

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エピローグ 自由なスタイルの旅に、夢中になる

「ペシの恋人展」でこの駄文をzineという形にアウトプットするべく、勢いで書いていたすべての文章に目を通しながら加筆修正した。
最初から読み進めていると、少し忘れかけていた当時の旅のさまざまなシーンが生き生きとよみがえってきた。
ほぼすべての出来事や行動は記録したつもりだが、書ききれなかった小さな小ネタはまだたくさんある。
また、写真を改めて見返してみると、北海道の外の美しい景色ばかりに気を取られ、楽しかったちゃんちゃん焼き晩餐会や水曜どうでしょうトランプなどの写真は、iPhoneでしか記録していなかったことを後悔した。
次回はすべてのシーンを作品として残す意識を持ちたいと思った。

プロローグで、旅のきっかけは天気と書いたが、もう一つ理由があった。
(このブログは乳がんのブログだが、最初は別のところで書いた文章ということで)
私は2015年にガンという大病を患い、そこで人生観が大きく変わった。
幸い発見が早期で、治療も落ち着き今は元気でぴんぴんしているけれども、宣告されたときはそれなりに衝撃があった。
今は2人に1人がガンになる時代だ。悲壮ぶるつもりはないけど、自分が死ぬかもしれないということと向き合ったときに悟った。
人はいつ死ぬかわからないし、明日のこともわからない。
それならやってみたいこと、体験してみたいことはトライしてみようと、今回の旅を決意した。

2週間車でひたすらまわる旅というのはもちろん初めての経験だった。だからこそ、旅の途中で自分の気持ちがどうなるのかは未知数だった。
もしかしたら、車中泊に飽き飽きして途中で帰りたくなるかもしれない。
疲れて運転を誰かに代わってほしくなるかもしれない。
・・・けれどもフタを開けてみたら、私は最後までちっとも帰りたくなかったし、どこまでも移動できるフリードとの旅がひたすら楽しかったし、また来年も行きたいとさえ思った。

車中泊しながら車で旅をするこの自由なスタイルに夢中になった。
北海道に限らず、これからあちこち旅に出てみようと思う。


epilogueSpecial Thank you!FREED!!

 

 

 

北海道車中泊の旅日記・10 東北経由で、帰路へ

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10 東北経由で、帰路へ
8/30(水)函館~青森~岩手~宮城~東京

函館を離れる30日の朝、快晴☀
早起きしてヤマキさんと函館の街を散歩した。
けっこう朝から活動している地元の人も多く、みんなでこの爽やかな空気を共有していることがうれしかった。
昨日曇りで微妙だった函館の風景もたくさん写真におさめた。
朝の函館を満喫してからいざ、函館港へ向かう。
私は9月2日に仕事があるため、最悪でも前日の9月1日に帰らなくてはいけない。 ということは、東北を通過する帰りの道のりを考えても、この日に函館から青森には渡っておきたい。
20分ほどで函館港に到着し、青森行きのフェリーの切符を購入する。
函館-青森間のフェリーは2つ会社がある上に、1日に4~5便と割と便数が多い。 当日でも余裕で購入できた。
近くのコンビニで朝ご飯を調達し、フェリーに意気揚々と乗り込む。
フェリーに乗るのは今回が4回目で、もうすっかり慣れたものである。

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函館から青森まで4時間くらいかかるが、今回のフェリーの旅はとても快適だった。というのも、窓際にカウンターのような席があって、外の景色を見ながらずっと座っていられるのだ。
しかも、港を離れるとあとはずっと同じ景色に見える水平線と違って、最初から本州の先っぽが見えている。これはおもしろい。
あとで調べてみたら、苫小牧-大洗のほかにも、新潟-小樽とか色んなフェリーがあって、次に行くとしたら別のルートもよいかもと思った。
そしてフェリーはあっという間に青森に到着した!

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私は東北上陸自体が初めてである。
ちょうどお昼時で、前もって友人に教えてもらっていた青森名物?の味噌カレー牛乳ラーメンを食べた。
名前からしてちょっとB級グルメっぽいが、想像していた以上においしかった。

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再び車に乗り込み、青森で唯一見てみたかったスポット、蔦沼に向かう。
沼の水面に周りの木々が映りこんでいてとても神秘的なところだった。
もうちょっと時間があったらぐるっと歩きたかったが、駆け足になってしまった。

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その後、有名な奥入瀬渓流沿いの道をたまたま通りかかる。
せっかくなので車を降りて渓流がふんわりとした写りになるよう、スローシャッターの写真にチャレンジしてみた。
その間ヤマキさんは車で仕事・・・大変・・・

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その後、十和田湖へ。
これまた駆け足でただ寄り道しただけになってしまったが、十和田湖のスケールの大きさを実感したのでよしとする。
これでも日本で一番大きい湖ではなく、12番目だそうだ。
以前島根を旅した時、宍道湖が海のように見えて驚いたものだが、その宍道湖も7番目の大きさだった。

あちこち移動していたら結構いい時間になり、今日は岩手県内の道の駅「道の駅とうわ」にて車中泊が決定した。
私はもう慣れっこになった車中泊だが、ヤマキさんは車中泊デビューである。
道の駅のすぐ裏手にある「東和温泉」に入ろうとしたら、今日はボイラーの故障とかで何とかの湯が入れないそうで、なんと入場料が無料になった。ラッキー!
お風呂後、休憩場を使わせてもらってヤマキさんは仕事。(お疲れさまです)
私はコンビニにごはん&酒を調達しに向かう。

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ちなみにヤマキさんは、車中泊仕様の車内でも仕事をこなしていた。
もはやノマドの達人である。最後の夜も、快適に就寝した。

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8月31日、起床。いよいよ最終日を迎えてしまった。
今日は岩手から東北道を南下しながら東京をめざす。
ちなみに岩手では小岩井農場に立ち寄りたかったけど、今回は時間の関係で断念した。ソフトクリームを食べたかったのに大変残念である。
道の駅とうわを出発し、ヤマキさん希望の、宮城の「洋菓子ヤマキ」さんへ向かう。
このお店の看板のフォントがかわいい上に、自分と同じ名前!と、以前ヤマキさんは電車+バスで訪れたことがあるそうだ。
洋菓子ヤマキのご主人と奥さんは、我々の突然の訪問を歓迎してくれ、厨房に案内され、さらにはシュークリームとコーヒーまでごちそうになってしまった。
東北の人はあたたかい。

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さて東京まではまだまだ遠い道のりである。
途中の東北道のサービスエリアで牛タン定食に舌鼓を打ちながら、「宮城のさあ、蔵王の御釜見たいよね」という話になる。
山の上にあるという御釜。
時間はないと言えばないしあると言えばある。
東北道がそこまで混んでいなければ寄り道できる。 ただ、いかんせん天気が微妙だ。
この辺は晴れているが、山の上はどうかわからない。
行ってみて御釜が見られなかったら時間の無駄になるかもしれない。
けれども、「今日が最後の日だし、行くだけ行ってみよう!」 といざ御釜へ向けて出発した。

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目的地である御釜まではエコーラインという有料道路を通るのだが、最後の方はもうかなりのくねくね道で結構な山の上だった。

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ヤマキさんに撮ってもらった御釜出現待ちのわたくし

しかもやっとのことで駐車場に到着するも、完璧な濃霧!御釜はどこだ!
どうやら目の前にあるらしいけど姿を現さないぞ!
我々は「おーかーま、おーかーま!」という意味不明な御釜コールをかけつつ、しばし御釜出現を待つがなかなか現れない。
山の上で1700mくらいと標高が高く、風が強くてかなり寒い。
この強風の中待つのは限界があるので30分だけ、と辛抱強く待ち続けるも、現れない御釜。
そのうち私は待つことに飽きて、この霧が立ち込める中咲いているお花の景色もなかなか幻想的だなあ、と花を撮りだしたその時!
「さおりんさん!御釜が!!!!」というヤマキさんの叫び声が!
その瞬間だけガスが晴れて、御釜ちゃんがその姿を現してくれたのだった。

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彼の姿をおがめたのはほんの一瞬だった。なんというツンデレ
寒いしこれ以上待っても御釜のガスはもう二度と晴れそうにないので、あきらめて車で麓へ戻る。
おかしいなー、麓はとってもいい天気なんだけどなー、不思議だなー。
利尻の時と同じパターンである。まあ一瞬だけでも御釜に会えたからよかったね!と、東北道へ戻り帰路へつくことにしたのだった。

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途中の岩手山SAからは岩手山がどどんとそびえていた

そうそう、宮城の高速を走っていたら、人生初の検問に引っかかった。
免許証の提示を求められ、東北道通過の目的をおまわりさんに告げる。
「何かあったんですか?」とダメ元で聞いてみたら、どうやら事件を起こした犯人が逃走中とのこと。
あっさり教えてもらえてちょっと意外だった。

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ドナドナトラック発見

東北道を段々南下してくるにつれ、知っている地名がどんどん出てきて我々のテンションは変な方向へ上がっていく。
ずっとかけていた音楽も飽きてしまい、数日前からラジオ派になっていたのだが、北海道にいたときに比べてラジオ局の頭数が格段に増えている。
この日結局、岩手→宮城→福島→栃木→茨城→埼玉→東京と、1日で7県移動したらしい。
そして我々はいつのまにか東京へ入っていた。気が付けば高い建物がいっぱい、車もいっぱい人いっぱいである。
車の移動はずっと道路を走っていくので、○○駅着いた!!というような節目がない。
ヤマキさんの住む両国へ寄り、荷物を降ろしてから彼女と別れて、自宅へ向かう。
すっかり夜になっていたけど、普通の時間に帰ってこられてよかった。

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自宅の駐車場に車を停めて、忘れないように今回の旅の全走行距離をiPhoneにおさめる。合計2,760km。
稚内から鹿児島までが2,300kmらしいので、日本列島を縦断するより長い距離を移動したことになる。
何事もなく、無事故無違反で無事に帰ってこられた!
今回かなり温泉+車中泊の旅に味を占めたので、また来年も行きたい。今度は道東を攻めたい!

いうわけで、北海道車中泊放浪の旅2017、これにておしまいである。

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玄関でおかえり~と出迎えてくれた、アビ。ただいま。

 

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北海道車中泊の旅日記・09 弾道ミサイルから始まった朝

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09 弾道ミサイルから始まった朝
8/29(火)砂原~函館

爆睡していたら、iPhoneが大音量で鳴り響いた。
今までに聞いたことがない不穏な音で、寝ぼけながら画面を見たら「北朝鮮から弾道ミサイルが発射されました。 屋内に避難してください云々」とある。
え、えええーーー?!と飛び起きたら、今度は町中のサイレンが鳴りだし、がんがん同じことを繰り返して放送している。
北朝鮮から、弾道ミサイルが発射された模様です。頑丈な建物か、地下へ避難してください」 ってどこに逃げろというのだ!!
どどどどうしよう!車中泊仕様ですぐに出発できないよ!
とあわてふためいていたが、ふと(下手に今動くよりも、このまま車の中でじっとしている方がよいのでは?)と思い、しばし待つことにした。
その間ネットでニュースをチェックしたら、ミサイルの射程距離の範囲は北海道から東北とかなり広い。なんじゃこりゃーどうしろというのだー
ひたすら携帯でニュースをチェックしていたら、既に函館入りしているヤマキさんから「起きてる?」というメッセージが届いた。
NHKのラジオが聞けるアプリを教えてもらってやり取りしている間に、ミサイルは襟裳岬の沖合1000kmくらいのところに落ちたという速報が入った。
とりあえず今私がいるところに落ちる可能性はなくなったので、ほっとした。
でも後から情報収集してみたら、どうやら頭上をミサイルが通過していったらしい。
外に出て空を見ていたら目撃できたのかもしれない。
それにしても、朝からなんなんだ一体。肝を冷やした。戦時中の国民の気分を味わった。
しかしどこへ逃げろというのだ、安部さんよ・・・
夫にLINEするも寝ていたらしく、ネットで初めてニュースを知ったそうだ。
もっと睡眠をむさぼる予定だったのにすっかり目が覚めてしまったので、身支度をして出発することにした。

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函館では早朝から毎日朝市が立っているのでむしろ早くから出て正解だったかもしれない。
車中泊していた道の駅から函館まで1時間ほどで特に渋滞もなく、無事到着した。
さっそく函館朝市の専用駐車場に車を停めて、朝市の建物内にある、朝から海鮮丼を食べられるところに入る。
朝の情報番組でがんがん繰り返されている北朝鮮報道を見つつ、鮭といくらの親子丼をほおばる。

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そして腹ごしらえが完了したところで、朝市見学に出かけた。
朝市ではイカ釣り体験ができたり、すしを握ってくれるカウンターもあったりして、色々と楽しめた。
さて、朝市の後は函館観光といきたいところだが、とりあえず車を別のところに停めなければいけない。
今までは割と安めな駐車料金だったが、やはりここは函館。東京並に高い!
色々と探し回った結果、平日料金最大で1日800円というところを見つけ、そこに無事駐車できた。よかった。(でも、車を取りに行く時に本当に平日最大料金あったよね?と心配になった)

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車を無事置いた後は、函館のレンガ倉庫をぶらぶらしたり、旧函館区公会堂や外国人墓地などのベタな観光スポットを巡ったり、チャーミーグリーン(既に死語かもしれない)の八幡坂を行ったり来たりして過ごした。

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歩いていたらどう見てもお店っぽくない普通の会社の建物の窓に、かわいい手ぬぐいやらタオルやらがディスプレイされていて、思わず吸い込まれるように買ってしまった。
どうやら船の部品を作っている会社らしく、全然グッズとか販売してなさそうなのにその船モチーフデザインの手ぬぐいがかわいいのだ。
手ぬぐいコレクションがまた増えた。
あと外国人墓地へ向かう途中の道は猫がいっぱいで途中人懐こい子と遊んでいた。(食われていたとも言う)

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函館は初だったけど、思ったこと。
港町だし、外国人墓地はあるし、レンガ倉庫もあるしで横浜にそっくりな街であった。
別行動中のヤマキさんは、自称オレの島「みどりの島」でノマド中・・・大変だね・・・

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お昼は函館で有名らしい星龍軒で塩ラーメンを食べた。
あっさり、でも奥深い味で美味しかった!ちなみにこのラーメン食べるのに1時間ほど並んだ。
それにしても今回の旅はラーメン率が高い。我ながら男の旅かと思う。

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お昼を食べてもまだ時間が余っていたので、せっかくだし・・・と路面電車の乗り放題切符を買って、五稜郭へ向かう。
上の展望台に上るのに思ったよりも入場料が高い!
けれども、あの五角形は展望台からしか見えないし、そもそも初めてだし、と思い直して上ることにした。
エレベーターはエレガのお姉さんと二人きりでやや気まずい。
展望台に到着し、五角形の写真を気が済むまで撮り、あとは展示されている五稜郭や北海道の歴史について色々学ぶ。結構おもしろかった。

さて五稜郭をあとにし、そろそろ函館の宿のチェックインの時間が近づいてきた。
車をピックアップし、ヤマキさんに予約してもらった宿へ向かう。
ここが、たまたま函館の夜景が見える函館山ロープウェー駅の近くだった。
宿は普通の一軒家のおうちに居候しているみたいな感じで、シャワーはあるとのことだったけど、もっと広いお風呂に入りたいよねという話になり、先に銭湯でひとっ風呂浴びることにした。

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「大正湯」さんという銭湯で、ここがまたレトロでとってもかわいかった!
しかも、私はピアスを片方落としてなくしてしまったのだが、2週間後くらいに銭湯のおかみさんからお手紙が家に届いて感激した!!
封を切って中を見てみたら、全然違うチェーンみたいなのが入っていた。
私のピアスは見つからなかったけど、わざわざ手紙で送ってくれるおかみさんの親切がうれしかった。お礼にはがきを送った。

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銭湯を出てから、お酒を1本調達していざ函館山ロープウェーへ!
百万ドルの夜景を堪能。
きれいだけど、なんというか夜景ってそれ以上でもそれ以下でもないのは何なんでしょうね。
あと何となく予想していたけど風があって結構寒かった。
その日、函館の居酒屋にでも行こうかと話していたけど、けっこう時間が遅くなって出かけるのが面倒になったので、コンビニごはんで済ませることにした。
今日は雨混じりの曇りで微妙な天気だったけど、明日は晴れの予報だったので早起きして函館散歩しよう!と早目に就寝した。

 

 

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北海道車中泊の旅日記・08 羊蹄山ソロ登山

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08 羊蹄山ソロ登山
8/28(月) 羊蹄山長万部~砂原

薄曇りの中、朝5時に起床。
昨日ほどの快晴ではないものの、まずまずのお天気だ。
てんくら(てんきとくらすという山の天気予報サイト)の登山指数もA!よっしゃ、と心の中でガッツポーズである。
登山の身支度を整えて、車中泊していた真狩道の駅を後にする。
宇宙推しだった昨日の余市の道の駅ほど特徴はないんだけど、細川たかし推しなのかな、トイレに入るたびに演歌が流れてきてなんだかなあ・・・。
そして、真狩道の駅を出発し、羊蹄山の登山口、真狩キャンプ場へ移動する。羊蹄山は4つコースがあり、登りはじめの標高もかかる時間もほぼ一緒ということで、初めての羊蹄山なので一番メジャーな真狩コースを選んだ。
持っている本には、真狩コースで登頂してから別のコースで下山、と紹介されていたけど、バスの時間を調べるのも面倒だし、と真狩コースのピストンでいざ、クライミング!スタートは6時。
トイレに立ち寄ったビジターセンターに、割と最近別のコースの登山口付近で熊の目撃情報あり、と張り紙があって、おじけづく。
そういえば熊鈴、持ってないなあ。
利尻山の時は二人だったし、そもそも利尻には熊はいないから何も考えてなかったけど羊蹄山は熊、いるんだよなあ、しかもそんなに登山客が多くなさそうなのに、ソロだなあ・・・。
色々考えたあげく、iPhoneで音楽を流しながら登ることにした。
これ結構いいアイディアかもしれない。電池切れの心配があるけど。

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羊蹄山は登山ルートの途中に1合目ずつ、目印があるのでつど休憩しやすい。
だんだん標高が上がってきて、6合目から視界が開けてきて下界が見下ろせるようになり、8合目くらいから森林限界に入ってがぜん楽しくなる。
私は、森の中を歩くことよりも、標高が高い森林限界より上の景色を眺めながら歩く方が楽しいんだなあ、とつくづく思う。
あと羊蹄山ではリスを10匹くらい見かけた。
単焦点で若干広角気味のレンズだから豆粒みたいにしか撮れなかったけど、かわいかったなあ。
リスにはばんばん出会っていいのだ、熊は勘弁してください。
と、8合目から一気に楽しくなって、山腹をトラバースしながらどんどん高度を上げていき、一気に山頂に到着した。わーい!

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利尻の時は目の前の鳥居しか見えなかったけど、羊蹄山の山頂はすごかった。
火山の跡で山頂がすり鉢状になっていて、今ちょうど夏だからか、うっすら草が生えていて緑色になっている。千畳敷カールを思い出す。 そしてこのすり鉢の縁をお鉢巡りできるのだ。

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反対側のお鉢の縁を人が歩いているのが小さく見える。
こういう形状の山頂は初めてだったので楽しかった。

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ただ結構風が強く、途中ストックをしまう岩場もあるので注意が必要だ。
どこが登山道か迷うときは、よく見ると岩にうっすら白いマークが書かれているので、そこを進むとよい。
それにしても、なんでわかりづらい白色なのか。赤とか青の方が目立つのにな、と思いながらお鉢巡りをし、途中の最高地点の、本当の意味での羊蹄山登頂を果たした。
羊蹄山蝦夷富士と呼ばれているので、利尻と合わせて北海道の富士2冠達成である。 利尻の時みたいに、登頂写真を実況中継でヤマキさんに送りたかったけど、羊蹄山の山頂は電波が入らず、残念。

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また真狩コースのピークまでぐるっとひとめぐりし、途中の9合目にある避難小屋に寄り道してトイレを借り、さくっと下山した。
6時から登り始めて、お鉢巡りと休憩を諸々含めて8時間50分程度。
真狩コースの山頂までは3時間50分と4時間を切っていたので、なかなかいいペースだったと思う。
利尻山と違って、羊蹄山は避難小屋で宿泊ができるみたいで、朝一番から登れない場合は1泊するのもありかもしれない。

15時くらいに登山口に到着し、靴下を脱いだり靴を履き替えたりしていたら、その辺を散歩していた中年のご婦人が話しかけてきた。
羊蹄山に登っていらしたの?」
「はい」
「あら、私たち(近くにご主人がいた)も登りたいんだけど、私たちの今の足で登れるかしら?」
「・・・どうでしょうね~・・・」
「お一人で登ったの?まあー、どちらからいらしたの?ええー、東京からフェリーで?まあまあ」
すごいわねえ、と言いつつ去っていった。

さて明日は函館でヤマキさんと再会予定である。
一応18時に予約してあるゲストハウスに現地集合なので別に函館に着くのは何時でもいいのだが、私は何気に函館デビューである。
本を見たら、毎日朝市が立っているらしい。というわけで、この日のうちに真狩から移動し、函館まで1時間くらいのところの道の駅に移動することにした。
その前に、登山の汗を温泉で流そうと昨日も入った羊蹄山をおがめる真狩温泉に行こうとするも、その日は休館日で非常に残念だった。
しょうがないのでニセコ駅の裏にある温泉へ向かう。
ここは日替わりで洋風と和風のお風呂が男女入れ替わるらしく、私が入った日は女風呂が洋風で今までの温泉とはちょっと雰囲気が違って不思議な感じだった。
お風呂から出た時間は18時前くらいで、まだ夕飯には早い。
ここのところ毎晩コンビニごはんだったので、この日くらいはさすがにコンビニは避けたい。
途中でなんかごはん屋さん見かけたら入ろう、と出発することにする。

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それから函館本線沿いの国道5号線をひたすら南下することになるのだが、この道が超絶長い!
旅の前半で「直進86km」とカーナビに表示されてゲラゲラ笑っていたけど、この日さらにそれを上回る「直進110km」が出てあっさり記録を更新した。
最初110っていう三桁の数字の意味がよくわからなくて、100mってもうすぐなのになんで数字が減らないんだろう?そしてなんでナビ子は何も言わないんだろう?としばらくずっと考えていたのだが、途中で気づいて一人車内で爆笑した。
mじゃなくてkmかい!単位が違った。
そしてこの直進110kmの道のりがかなりつらかった・・・
しょっちゅう「居眠り運転注意、正面衝突の死亡事故多発」って看板が出ているのもうなずける。
ハンドルをまったく切らないまっすぐの道をなん十キロも一人で運転するのは結構きつく、今だから白状するけど途中2回くらい一瞬寝ていた。
ひたすらフリスクを食べて、たまにある信号でアンメルツヨコヨコを塗りまくって何とか眠気に耐える。
その途中、長万部で国道沿いにごはん屋さんを発見!ラッキー!
今夜は脱コンビニごはんだ!!
海鮮丼も肉系も割となんでもあるところだったけど、なぜかこの日も注文してしまった、ラーメン。
出てきた濃厚味噌ラーメンは、そこまで期待していなかった分すごくおいしかった。かなりの当たりだった。

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ラーメンに元気づけられ、目も覚めて目的の道の駅つどーるプラザ・さわらに無事到着した時はひたすらうれしかった。
iPhoneからFBに利尻山羊蹄山の登頂日記を書いてから、そのままこてんと寝た。
明日は7時くらいに起きて、函館に移動して朝市だな~などと思いをはせつつ・・・
が、翌朝はとんでもない事件でたたき起こされたのである。

 

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