畔室長裏日誌

某写真系アトリエギャラリーを主宰しているsaorinです。乳がんを宣告されたのをきっかけに、個人的な日記が書きたくなって立ち上げました。主に乳がんの闘病日記と毎日のごはん簿をUPしていましたが、治療が落ち着いた今は登山・キャンプ・旅など趣味についても書いています。

天空を測候し、本来のアートの起源に立ち返る場所「江之浦測候所」へ

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海や空、自然を測候する、すなわちそれは古代の人々が見ていたものに思いをはせること

写真家・現代建築家の杉本博司氏が立ち上げた小田原文化財団により、昨年2017年10月にオープンした江之浦測候所へ、先日友人たちと行ってきました。
とてもフォトジェニックなスポットでしたので、このブログでも紹介いたしますね。

そもそも、江之浦測候所ってどういうところ?という方は「美術手帖」特集ページをご覧ください。>>>

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悠久の昔、古代人が意識を持ってまずした事は、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。そしてそれがアートの起源でもあった。 新たなる命が再生される冬至、重要な折り返し点の夏至、通過点である春分秋分。天空を測候する事にもう一度立ち戻ってみる、そこにこそかすかな未来へと通ずる糸口が開いているように私は思う。 (小田原文化財団HP・江之浦測候所の建築概要から抜粋)

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一番向こう端に立っているのはおそらく杉本博司氏ご本人。
見学途中何度かすれ違いました(笑)

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この日は天気に恵まれ、空も海も美しいコバルトブルーでした。

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“これより先の立ち入りは禁止”の目印、止め石。

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冬至光遥拝隧道(© 小田原文化財団 / Odawara Art Foundation)

一年で最も日照の短い日、冬至。その朝、海の向こうから昇る朝日がこの隧道を貫き、反対側に置かれている岩を照らすのだとか。
(が、思ったんですが普通の見学だとそれは見られないよね・・・)

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光学硝子舞台(© 小田原文化財団 / Odawara Art Foundation)

光学硝子は、カメラレンズとなる素材。
それによって作られたこの「光学硝子舞台」は、冬至の朝日がちょうどこの硝子舞台を照らしだすように設計されているそうです。
一般の見学者は乗ることは禁止されていますが、ここで能の舞台が行われることもあるとか。

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何と開放的な舞台なのでしょう。

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これは、↑の光学硝子舞台を見られる観客席、古代ローマ円形劇場写し観客席。
イタリア、ラツィオ州のフェレント古代ローマ円形劇場遺跡を再現しているそう。

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「海景」シリーズが展示されていた夏至光遥拝100メートルギャラリー(© 小田原文化財団 / Odawara Art Foundation)

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海抜100メートル地点に立っている100メートルのギャラリー。
夏至の朝、海から昇る太陽光はこの空間を数分間に渡って駆け抜けるそう。

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ぐるっと散策できるコースがあります。
江之浦測候所は相模湾に面した蜜柑畑の土地に作られており、牧歌的な景色が広がります。

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この江之浦測候所は、開発面積3000坪。
とても広いのですが、“近代以前の人口密度を体感していただくため、入場人数を限らせていただくことといたしました。お一人様占有面積約50坪の見学が可能”。だそう。
時間入れ替え制で、しかも中学生未満のお子様は入場できません。
完全に大人のためのアートスペースでした。

違う季節の時にも行ってみたいです!

江之浦測候所は完全予約制です。当日入場はできません!
興味のある方は、小田原文化財団公式サイトのこちらのページをご覧くださいね。
http://www.odawara-af.com/ja/enoura/ticket/

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おまけ。最寄りの根府川駅もなかなか素敵な駅でしたよ。